「その日報、無理な英語で
書いてもらっていませんか?」
——母国語で書いて、元に戻れるまとめを。
日報やトラブル報告を、日本語や英語で書いてもらっていませんか。書く人の母国語で書いてもらい、管理者は自分の言葉で読む。月末のまとめも、AIで楽になります。ただし、まとめだけを読んで判断すると事故ります。同じトラブルを繰り返さないところまで、うちのやり方を全部書きます。
報告は母国語で、返事はその日のうちに(イメージ)
この記事の要点
- 報告は、書く人の母国語で。管理者は自分の言葉で読み、気になったら元の文を開く
- 月末のまとめはAIに書かせてよい。ただし1行ずつ元の記録と照らし合わせ、件数と引用はプログラムで確かめる
- 再発防止は、AIではなく「担当・期限・完了の理由」で回す。事故る4つのポイントと、始める前の5つの質問も全部書いた

報告が短いのは、
言葉のせい。
タイの工場で話を聞いていると、よく出てくる話があります。日本人の管理者とタイ人のスタッフが、おたがい無理をして英語で話している。説明するのが大変なので、つい簡単に伝えて済ませてしまう。
日報やトラブル報告も同じです。母国語ではない言葉で書くと、どうしても短くなります。「機械が止まった。直した。」で終わってしまい、何に気づいて、どう直したかが残りません。
書く人の母国語で、詳しく書いてもらえばいい。読むほうは、AIで自分の言葉にして読めます。
AIで、
ここまで楽になる。
母国語で書いて、管理者の言葉で読む
現場の人はタイ語で書き、管理者は日本語で読む。元の文も残しておき、気になったらいつでも開けるようにします。
月末のまとめの下書き
1か月分の日報・トラブル報告・改善提案から、本社に出す月次報告の下書きをAIが書きます。
記録に質問する
「先週、組立ラインで何があった?」とAIに聞くと、記録から答え、根拠にした報告を開けるようにします。
ただし、AIがやるのは訳すこと、まとめること、探すことまでです。同じトラブルを繰り返さないための仕組みは、別に作ります。
再発防止は、
AIではなく仕組みで回す。
トラブル報告が上がっても、そこで終わると同じことがまた起きます。対策を、誰が、いつまでにやるか。終わったら、何をしたか。これはAIに任せる仕事ではありません。
うちの製品KOETEでは、こう回しています。
もう一つ大事なのは、書いた人に返事が返ることです。うちが見てきた現場では、管理者が返事をしなくなったところで、現場からの報告も止まりました。報告を続けてもらう一番の方法は、その日のうちに返すことです。
ただし、飛びつくと事故る。
うちが知っている4つ。
うちは、架空の工場の記録(日報・トラブル報告・改善提案)を使って、月次報告のまとめをAIに書かせる試作を作りました。そこで分かったことを4つ書きます。

まとめだけ読んで、元の報告を開かない
まとめは早く読むためのものです。でも、まとめる途中で、意味が少し変わったり、記録に無いことが混ざったりします。まとめだけで判断すると、それに気づけません。
試作では、まとめの1行ずつを、元の記録と照らし合わせます。記録と一致した行、記録には無い判断の行、誤りの行に分けて、付録につけます。

架空の工場の1か月分のまとめで試したとき、41の記述のうち、記録と一致したのが32、記録には無い判断が8、誤りが1つでした。誤りは「判定保留となったロットが2件」という文です。記録を見ると保留は1件で、もう1件は別の内容の報告でした。読みやすいまとめほど、こういう誤りは目に留まりません。
AIのまとめを、AIに確かめさせる
まとめを書いたAIに「合っているか確かめて」と頼むと、自分の間違いを自分で通してしまうことがあります。
試作では、確かめる側にAIを使いません。件数は記録から数え直し、引用は元の文と文字で照らし合わせる。どちらもプログラムでやります。タイ語で書かれたやりとりも、タイ語の元の文のまま照らし合わせます。
返事のない報告が、「対応中」に埋もれる
トラブル報告を「完了」と「対応中」の2つに分けると、誰も返事をしていない報告が「対応中」に紛れて見えなくなります。月末に一番拾うべきなのは、そこです。
試作では、完了が記録されているもの・着手しているが完了の記録がないもの・誰も返事をしていないものの3つに分けて出します。
もう一つ分かったことがあります。完了したことが、トラブル報告のやりとりではなく、後日の日報に書かれていることがある。ある月は、完了の記録が3件とも後日の日報にありました。トラブル報告だけを見ると、終わった件が全部「対応中」に見えます。
原因と対策を、AIに決めさせる
まとめには、記録からは言えない文が入ります。たとえば「流出は発生していません」。起きなかったことは、記録に残りません。「提案は現場から自発的に上がった」も、指示が無かったことは記録に残らないので、記録からは確かめられません。
こういう文は、本社への報告には必要です。消してしまうと報告になりません。だから試作では、消さずに「記録には無い判断」として分けて見せます。そのうえで、原因と対策は現場と管理者が決めます。
準備は、
5つの質問に答えるだけ。
始める前に、次の5つに答えてみてください。答えによって、最初にやることが決まります。
いきなり全部の報告を変えなくて大丈夫です。まず報告を1種類だけ、母国語で毎日書いてもらい、管理者がその日のうちに返す。そこから始めます。
よくある質問。
Q. スタッフがタイ語で書いたら、日本人の管理者は読めますか?
KOETEなら、管理者は自分の言葉で読めます。元のタイ語の文にも切り替えられます。
Q. AIが書いた月次報告を、そのまま本社に出していいですか?
下書きとして使ってください。1行ずつ元の記録と照らし合わせ、記録には無い判断の部分は、出す人が確かめてから出します。
Q. 月次報告のまとめは、KOETEの機能ですか?
いいえ。今は、KOETEの記録を使ってうちが作っている試作です。KOETEの画面のボタンで出るものではありません。
Q. AIが原因や対策を決めてくれますか?
決めません。AIは書かれたことを訳し、まとめ、探します。原因と対策は、現場と管理者が決めます。KOETEのトラブル報告にも、AIが原因を書き込む仕組みはありません。
母国語の報告、まとめの照らし合わせ、返事のない報告の拾い方。うちは、報告のまとめでつまずくところを先に知っています。
データ診断(30,000 THB・訪問1日)では、伺ってその場で御社の日報や報告の記録を見て、何ができそうか・何が足りないかをレポートでお渡しします。データは持ち帰りません。報告のほかにもAIでやりたいことがあれば、勉強会とワークショップのセットで、どこから始めるかを一緒に決められます。全体像はタイの工場で、AIはどこから使う?にまとめています。一緒に始めましょう。


